平成17年度2次隊 環境教育 ジャワ島・チアンジュール (CIANJUR) |
配属先である西ジャワ州にあるグデ・パンランゴ国立公園(TNGP)はジャカルタやバンドゥンといった大都市から約100km以内にあり、交通の便も比較的良いことから、年間を通じてたくさんの観光客や登山客が訪れます。
国立公園と言っても、私営の山小屋やリフトなどの施設がある日本とは異なり、インドネシアでは基本的に公園の管理に関係のある施設しか作れません。そのため、訪問者にとってはある程度の準備が必要かもしれませんが、まさしく「自然なままの状態」が残されていると言えます。
このように素晴らしい魅力を持つインドネシアの国立公園ですが、その一方で、人々との土地利用上の軋轢、違法伐採や違法狩猟、森林火災など、非常に多くの困難を抱えているのも事実です。
そのような中で私たちは、多くの人がこの公園を訪れることが自然保護や地域の発展につながり、かつ来訪者が自然とのより深い接し方を通じてそれらについて学ぶことができる形の観光業=エコツーリズムを促進することを目標の一つにおいています。
西ジャワ州
手前はグデ火山。奥に見えるのはパングラン山。
頂上は、すがすがし~い!
おバカな同僚(テロリスト風)
現在行っている業務を大きく分けると、プロモーションの強化、ビジターサービスの改善、ツーリズムに伴う自然への悪影響の低減の3種類になります。これによって実現したいのは、訪問者が充実した自然体験を通じて身の回りで起きている環境問題について考え、行動の変化を起こすきっかけやとなる場を設けることです。
普段は本部事務所で机に向かう日々が中心です。時にはビジターセンターで接客を手伝ったり、森や山を案内したり、フィールド調査に同行したりしますが、基本的にはこれらはレンジャー達の業務で、私は舞台裏で彼らの活躍の場をできるだけ増やせるように努めています。それでもフィールドに出る機会があると、このような環境で仕事をしている幸運を感じます。
全体的には男くさい職場で、特にレンジャーステーションなどに駐在しているレンジャーは体力や安全上の理由から男性が中心になので、付き合う方としては気が楽です。「何日間お風呂に入らないで大丈夫か」でレンジャーとしての適正が測られるとか?
↑エーデルワイスは4月末~7月が見ごろ
さて、私の住んでいるチボダスは、標高1,300mにあり、一年を通じて平均気温は20度前後、インドネシアにもこんな所があるのかと思うほどに涼しいところ。日中は屋内にいれば汗をかくことはほとんどなく、朝晩は逆に肌寒いほどです。清涼な気候のおかげで野菜類も良く取れ、ニンジン、レタス、長ネギ、ブロッコリーなどなど、たくさんの産直野菜が道路沿いで売られています。
住居は公園事務所の敷地内にある職員住宅を使わせてもらっています。雨漏り や糞を天井から落とすヤモリ、コンクリートをかじって部屋に入ってくるアリなどとの生活もまさに「住めば都」。村のはずれにあるため、町の喧騒や排気ガスから逃れ るのにこれほど適した場所はないでしょう。
===グデ・パンランゴ国立公園の魅惑===
~何故人は山に登るのか?(そして後悔するのか。。。)~
*1月1日~3月31日及び8月中は悪天候と自然再生のために登山は禁止されています。
*チブルウムの滝までのハイキングなど、登山以外のレクリエーションは年間を通して可能です。
●TNGPへの行き方
<バスの場合>
ジャカルタ、ボゴール、バンドゥンのいずれから来る場合でも、ジャカルタ~バンドゥン線のうちプンチャックを経由するバスに乗り、ドライバーに「Outlet dse」近くの三叉路 (「チボダス」という名が使われているかもしれません。左手に国立公園の看板あり)で降ろしてもらうように頼みます。三叉路からは黄色いミニバス(Rp.2,000)かバイク(Rp.6,000) で公園まで行けます。
<車の場合>
ジャカルタから高速道路をボゴール(Bogor)方面へ向かい、チアウィ(Ciawi)で高速道路を下りてプンチャック(Puncak)/ バンドゥン(Bandung)方面へ。プンチャック峠を越えて7.6km、「Outlet dse」の先の三叉路を右折(左手に国立公園の看板あり)、坂を3km上る 。
◎アイル・パナス日帰り - 往復6時間 -
チボダス → テラガ・ビル → チブルウムの滝 → アイル・パナス。
◎グデ山頂日帰り - 往復11時間 -
アイル・パナスまでは上記と同じルートをたどった後:
カンダン・バダック → グデ山登頂後、チボダスへ戻る。
◎グデ山 1泊2日往復(チボダス~チボダス)
- 1日目 (5時間) -
チボダス → テラガ・ビル → チブルウムの滝 → アイル・パナス → カンダン・バダック。
- 2日目 (7時間) -
グデ山登頂後、チボダスへ戻る。
◎グデ山 1泊2日縦走(チボダス~グヌン・プトゥリ)
- 1日目 (8時間) -
チボダス → テラガ・ビル → チブルウムの滝 → アイル・パナス → カンダン・バダック → グデ山頂 → スルヤケンチャナ草原。
- 2日目 (5時間) -
スルヤケンチャナ草原でゆっくりしてからグヌン・プトゥリへ下山。下りは急ですが、より短い時間で下れます。
●必要なもの:
全ての登山者は、登山時には登山許可証(SIMAKSI)を携行しなくてはなりません。登山許可証はチボダスの公園本部事務所で登山の2日~30日前に取得できます。外国人旅行客も事前に予約することが推奨されていますが、登山当日でも特別に登山許可証を取得できます。
登山にかかる料金(外国人)
登山料:Rp. 20,000/1日、保険 :Rp. 2,000/人
KTP、KITAS保有者にはインドネシア人料金が適用されます。
身分証明書のコピー (パスポート / KTP / KITAS / 自動車免許証 / 学生証)。尚、提出された身分証明書のコピーは返却されません。
17才未満の場合、両親の承諾書。
●持ち物:
日帰り登山の場合は雨具、懐中電灯、十分な飲み物と食料。
キャンプをする予定ならば、上記に加えてテント、料理道具、寝袋、マットレス、防寒具。チボダスには何軒かアウトドア用品店があり、そこで装備のレンタルも可能です。大きなごみ袋は敷物代わり、雨対策、防寒などの用途にも使えて便利です。日本のように食事や寝泊りができ るような山小屋はありません。
●ガイド・ポーター:
TNGPでの登山が初めてならば、公園事務所でガイドを手配することをお勧めします。1泊2日のガイド料金はRp.250,000程度です。確実にガイドを確保するためには、あらかじめ公園事務所にお問い合わせ下さい。チボダスにあるアウトドア用品店の中にはガイド・サービスを提供しているところもあります。 同様にポーターの利用もできます。
●新人隊員グデ登頂記
18-3の私(K)、T、Nは、フィールドトリップ中にどうしても山に登りたくて、山を知り尽くし、山を愛しているE隊員が働いているチアンジュールへ行き、一緒に登山してくれるように頼みました。心優しいE隊員は仕事が忙しい中、私達と一緒に登山してくれると言ってくれました。
次の朝、6時に起こされ私達は眠たい中登山の用意をした。そして、E隊員が「往復12時間だよ」と言って、12時間のきつさも分からず私達は元気よく「分かりました」と返事をした。朝ご飯を食べ山へ向かった。
登山の入口から超急な石の階段が私達の目の前に現れた。E隊員は私達(素人)をあざ笑うかのように階段を駆け登って行く。私達はE隊員の大きな背中だけを見つめついて行くだけで精一杯だった。ゴロゴロした石ばかりで私達の足に突き刺さる、しかし、私達は足ツボマッサージしているんだと思い込み、健康?になりながら登山した。途中でサル、リスがいて私達以上にE隊員が興奮していたのに驚いた。
休憩したり滝を見たりして約6時間で頂上に着いた。頂上は見晴らしが良く綺麗なところだった。そして、私達は頂上で料理隊員の私の指示のもとサンドウィッチを作りとてもENAK(美味の意)でした。頂上で1時間ぐらい休憩をして下山した。私達は後下るだけだから楽だと思ったのが安易な考えだった。しかも、下りの途中から雨男(私)のせいで雨が降ってきた。そしてだんだん暗くなり懐中電灯を使い下山した。山の出口付近で沢山のホタルが私達を出迎えてくれ、疲れてブルーな気持ちになっている私達の心を明るくしてくれた。
山あり谷ありの長い道のりでしたが、特に女性隊員は頑張ったと思う。E隊員が一緒に登ってくれたので楽しく、怪我もせず登山ができました。ありがとうございます。また登りたいです。
(2007.5.7 記)
翌数日間、一番足にきていたのはKでした。(E)
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これはグデ山を制した登山家のほんのほんの一部です。
- - - 登頂ドキュメント - - -
M:あー、なんか疲れたけど、やっぱ来て良かったね。
N:うん。でも私、これは一度でええわ。
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A: 登れて良かったー!!でも、もう二度と山は登らないって決めました。
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I:あとどれくらい?。。。 あとどれくらい?。。。 ま・・だ?。。。
皆様も是非お試し下さい。