よくある病気 in Indonesia |
ということで、ここでは隊員がよくお目にかかる病気ベスト2について、その原因から対処法、予防法まですべてをお見せします!
1.下痢症
誰もが一度は罹る代表的疾患「下痢」。下痢といっても色々あります。インドネシアでは、種々のウイルス性・細菌性感染で下痢がみられます。それではどんなことに気をつけて生活したらよいのかお伝えします。
*原因*
生野菜、加熱不十分な食事、生水、不衛生場所で食べる食事、などなど
*代表的疾患*
・ 細菌性下痢
潜伏期間1~4日
発熱。左下腹部痛。粘液性下痢
・ アメーバ赤痢
潜伏期間不定
腹痛。腸外アメーバ性の時の肝膿腫:イチゴゼリー状の粘液性下痢便。発熱
・ 腸チフス
潜伏期間7~14日
一週目:段々と熱が上がっていく。頭痛、脈が遅くなる
二週目:40℃以上の熱が、ずっと続く。お腹が張る
三週目:腸から出血。腸に穴が開く
四週目:回復期
・ コレラ
潜伏期間1~3日
激しい水の様な下痢(米のとぎ汁様)。嘔吐。脱水。尿の量が減る。
・ サルモネラ腸炎
潜伏期間8~48時間
血の混じった下痢。発熱。腹痛。嘔吐。
・ その他、いろいろな病原体で起こります!
*対処法*
(1)水分補給&電解質補給・・・下痢により、体内の電解質のバランスが崩れるので、フツウの水よりも電解質補給が肝心!とにか く飲む!激しい下痢で水分補給が追いつかなくなると、点滴をすることもあります。
・ ポカリスエット
・ PHAROLIT(薬局で売っています。水に溶かして飲みます。)
(2)薬を飲む。・・・下痢止めを飲む。しかし!細菌を出してしまった方が良いときもあります。ひど~い下痢の時は、医療機関へ!
・ ワカマツ(漢方薬)
・ ビオフェルミン(整腸剤)
・ New Diatabs(薬局で売っています。)
・ NORIT(これまた薬局で売っています。)
・ 抗生剤・抗菌剤
(3) 消化の良いものを食べる・・・唐辛子(CABE)をたくさんたべると、下痢悪化。刺激の少ないものを食べまっしょ!
(4) よく休む・・・下痢に伴って発熱がおこることもあります。睡眠・休息が大事。
・・・下痢体験談~U隊員の場合・・・
「1日に22回も下痢したことありますよ!出るのはもう水しかない・・・辛かった~。その上、行った病院の看護師さんがひどくって、、結局下痢の原因もわからずだったし。いや~、大変でした。」
2.高コレステロール
「帰るときにはTambah Sehat (より健康に)」がみんなの目標!
健康診断後にとくに「数値が上った」との多くの声があったコレステロールについてです。「コレステロール値が高いからといってすぐに死にゃせん」という声もありましょう。しかし!症状が出たときには手遅れだとしたら、それが生活習慣病(動脈硬化、糖尿病など)というものにつながるとしたら・・・たかが2年されど2年。「コレ捨てろー!る」すたーと。
?そもそも、何でコレステロール値が上がるのでしょう?
*インドネシアに来て多く食べるようになったもの・・・ ココナッツを使ったお菓子、サンタン(椰子の実の中を削り取った物で、水とあわせスープを作る)を使った料理、炒め物、揚げ物、黒くなるまで揚げた魚
*インドネシアに来て食べなくなったもの・・・ 新鮮な魚介類、海藻、こんにゃく、しいたけ・きのこ類
・・・ここから何か見えてきそう。。。
油脂(植物性・動物性含めて)には、脂肪酸(飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸)が一様に含まれています。飽和脂肪酸をより多く含む油脂は不飽和脂肪酸を多く含むものと比べて消化吸収率が低く、コレステロール値を上昇させる作用をもっています。
一般的に、植物油・魚油に不飽和脂肪酸が多く、動物性の油脂には飽和脂肪酸が多く見られますが、例外もあり、それがヤシの実(パーム油、ヤシ油)なのです。
↓食品の脂肪酸組成(単位・%)
食品名(飽和脂肪酸/単価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸)
オリーブ(13.1/75.7/11.2)
やし(91.0/7.0/2.0)
バター(68.8/27.9/3.3)
コレステロール自体の摂取量に気をつけることも必要ですが、体内で合成されるコレステロール量をふやす飽和脂肪酸の摂取量を制限することが大切なのです。(体内で合成されているコレステロールの方が、食事から摂取される割合より多い。約2倍。)コレステロールには2種類あります →悪玉といわれています。
LDL(酸化したLDLが動脈硬化をすすめる)と善玉といわれるHDL(末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へ逆転送する) そう!HDLの値も重要なのです。
ところで・・・基準値って知っていますか?
総コレステロール(TC) 120~219 mg/dl
中性脂肪 (TG) 30~149 mg/dl
HDL-CHO 40~80 mg/dl
HDLが正常ならば、総コレステロールは250までなら許容範囲とされています。
TCの値だけで判断してクヨクヨしていてはダメってこと!しかし、低ければいいっていうことでもない。コレステロールは心身の活力を高める副腎皮質ホルモンや、脂肪の消化を助ける胆汁酸、性ホルモンの材料になっていることを忘れずに!適度が肝心。
●LDLコレステロールを増やすもの
・ 飽和脂肪酸・・・コレステロールだけでなく、中性脂肪も増やす厄介なヤツ。肉の脂肪、パーム油、ヤシ油に多く含まれる
・ アルコールの多量摂取
◎LDLコレステロールを減らすもの
・ 食物繊維=穀類や豆類、野菜、果物、海藻、ごぼう、おから、きのこ類、きな粉
・ 物繊維=リグニン、ヘミセルロース(繊維状)、とうもろこし、ココア、豆類
・ 物繊維=こんにゃくマンナン、ペクチン。コレステロールを原料としている胆汁酸の排泄量をふやすので、結果コレステロールの減少につながる。(ゲル状)果物
・ DHA、EPA=魚に含まれる脂。(熱帯の魚には少ない)
・ β― カロチン=にんじん、パパイヤ、マンゴー、すいか、緑黄野菜。
・ イノシトール=ビタミンBの仲間、多くが体内で合成されている。脂肪とコレステロールを体が使うように働きかける。オレンジ、すいか、メロン、サツマイモ、トマト。
・ ビタミンE=LDLの酸化を防ぐ。落花生(炒り)、アボガド
◎ステロールを増加させるもの:適度な運動!
HDLコレステロールを増やすように食物繊維の多い食事=穀類を主食として、副菜に野菜を使った料理を1品でもいいから加えましょう。もちろん1日3食です。食欲の無い時は水分だけでお腹一杯にしてしまうのではなく、果物やナッツ類を補助食品とするとグー。ミー(麺)を食べる時は、おっちゃんにサユール(野菜)多くして!と頼んでみましょう。
それから、LDLコレステロールを酸化させないようβ-カロチンの多い、季節の美味しい果物も忘れずに。
炎天下の下で・・・というのはまずいけど、早朝や夕方、また休日などに適度な運動を心がけましょう。有酸素運動を20分以上/週2回が適度ってところです。ウォーミングアップ&クールダウンを忘れずに、道路の状況に気をつけて楽しみましょう。
それではみなさん、Sehat(健康)なインドネシア生活を☆