地域情報 ジャワ島…マラン |
平成14年度3次隊 コンピュータ技術隊員(加筆 2004年6月)
マランはインドネシア第2の都市東ジャワ州の州都スラバヤから、南へ車で2時間半のところにある標高500mから1000mの地方都市。ジャワ島の北の海辺にあるスラバヤからだと、行きは登りで帰りは降りになる高原地帯にあります。
==熱帯の高原!==
平均気温25℃の素敵に過ごしやすい気候。それでも、昼間はちゃんと30℃を越しますし、雨季はむしむしと暑いのはさすがインドネシア。しかし、夕方までにMandi(水浴び)をしないと、けっこう水温は低く、髪と身体を洗い終わったときには手足の爪はチアノーゼ状態となっています。
山手の地域に泊り込んだ折りには、明け方は15℃をきる寒さ。まさかインドネシアでフリースを着て震えるはめになるとは!!!ここでは、靴下は外出のときに履くものではなく、ベットに入るときに履くもの、赤ちゃんたちはぐるぐる巻きのおくるみに手袋、靴下、帽子の完全防備の上から、さらに毛糸の毛布にくるまれているのです。……それでもオムツはしてませんけど。
マランの東はルマジャンとの境にプロモ連峰が連なり、その南端にスメル山3676mの雄姿を朝日を背に仰ぎ見ることができます。ぷっとちいさく煙を噴いていることもあり、1年半ほどの間に体感できる地震が5回はありました。乾季には火山灰が降ります。西はこれまた3000m級の山並みに阻まれてジョグジャへの山越え路、南はジャワ島の南岸までなだらかに下る途中に、だんごのような3つのダムがあります。
オランダ統治時代からの建物が残る一角もあり、白い教会のある市街の最高級住宅街通りには椰子の巨木が青空のもと風に吹かれ、南国の果物売りの声がのどかに流れてゆく風景も見られます。
==食べる==
市内のレストランをご紹介いたしましょう。
●KDS 中華料理。
豚が食べたくなったら、ここ!
水餃子とKakap(白身魚)の蒸し焼きが絶品です。中華系の人たちの結婚式や誕生日会などの集まりによく利用されています。この店にあるTahuJepang(日本風豆腐)とは…インドネシアでよく見かけるチューブ入りの豆腐を輪切りにして揚げたものと数種類の野菜をケッチャップベースの甘辛いたれであえたもの。どのへんが日本風なのかは???
●BungaBali 似非欧州料理
ヨーロッパの風を吹かしたくなったらここ!
シーザーズサラダとサーモンステーキはなかなかです。バリダンス音楽、ギター伴奏付きラプソディもどき、マリアッチ風バンドと毎晩趣味の違う生演奏が楽しめます。ここではスパゲティ系はやめたほうが…のびてぷちぷちの昔懐かしの給食に出てきたような麺が出来てきます。よく冷えて美味しい白ワインに浮かれた「チーズにパンを添えて」のオーダーで出てきたものは…サンドイッチ用の薄切り食パン(生)に、プロセスチーズが長細く削られて乗せられておりました…。※これをよまずに、この店でスパゲティーを注文した、某隊員は、そんなにひどい麺には、あたりませんでした。改善されたかも。
●ジャワ風バリ料理。
つまり豚肉の入っていないバリ料理。店の前で魚介類(魚数種類と海老、烏賊、貝など)と料理の仕方(焼く/蒸す/揚げる)を選べます。サンバルがめちゃうま!ホットプレート料理もけっこういけます。ここも生演奏付き。日本人と知ると「心の友」がかかりマイクを持たされます。
このほかにも、私の配属先の近所にある庶民的インドネシア料理がRp2000で腹いっぱい食べて飲みものもついてくるなじみのWarung(屋台)とか、来イ以来10Kg肥えた某隊員が絶賛していたガドガドのWarungとか、「日本人か!?ほな、わしのとっておきのもん出したる」と黒光りする箸を貸してくれる親父のいるMeiAyam屋(麺類屋)などよりどりみどり。
●GLOLIA 中華
麺がいい。通常、揚げてあるPangsit(ワンタン)もデフォルトで蒸した状態のがでてくるのがうれしい。シュウマイもうまいが、スープの中に入れられてくるので、横浜のを連想するとがっかりかも。この系列で、H&Tという店が市内に3件あり、ここの麺があじわえるが、ワンタンメンをたのまないとPangsitは、揚げた奴がだされる。Ni Hao Maというリーテールの店もあり、1人でいくなら、こちらがお勧め。肉料理と、ごはんと、野菜炒めがセットでRp1万前後。
↑GLOLIA のNashi Babi(中華丼)メニューにないが、たのめばでてくる
↑GLOLIA のpangshit Mie
Gloria・・・ Jl.KH.Agus Salim21
Ni Hao Ma・・・ Jl.Letjend.Sutoyo66-C
H&T Cui Mie・・・ Jl.Ruko Kawi Atas43-B
H&T Cui Mie・・・ Jl.Ruko S.Parman Kav A-5
H&T Cui Mie・・・ Plaza Araya の Food Court
●PADI 洋食屋
おいしい牛肉が食べたくなったら、ここ!
肉系の料理はあまりはずれません。店内で、陶器なども販売しているので、お土産に・・・
Jl.Pahlawan trip
●なんとなくイタリアン
恋人とくるなら、ここ!
Hotel Tuguから、Tugu(塔)を背にBCAに向かって歩いて2分のところにあるイタリアンの店。バラードの生演奏つき、ピザはハート型ででてくるなど、デート専用の店とおもいきや、外国人の団体客がいたりするので、友達どおしでも、別にきまずくないはず・・・
●SMKN3 カフェ
女子高生にキャーキャーいわれたいならここ!
観光系の実業高校で、料理科、ホテル科、被服科、美容科とあります。被服と美容は男0人のパラダイスです。インドネシアの実業高校では、ユニットプロダクシーと言って学校で、商売をしています。そんなわけで、料理科のあるこの学校では食堂をやっています。正門から入って、左から食堂、(洋服の)仕立て屋、美容室と3軒ならんでいます。化学調味料の量が多いのがたまにきずですが、良心価格でお味はそれなりです。ちなみに、ホテルの実習室にも泊まることが可能(1泊スタンダードRp10万、VIP Rp20万)です。VIPはかなり広くエアコンつき、TVつきで、VIPというだけの価値はあります。ただし、学校が休みのときは、店も休みです。当然ながら料理は先生がおこないます。
↑SMK3正面
↑NashiCapCai 野菜炒め丼
↑KOLOKEE 八宝菜に限りなく近い
●CHOPSTICK ベトナム料理屋
食事に変化をもとめるなら・・・
Jl.Pahlawan trip ※この道が途中で名前が変わってSMKN3のあるJl Surabayaになる
●粋 日本料理
2003年に開店。わざわざ日本人の客をつれていくほどの店ではないが、まずくはない。田舎であることを考慮すれば十分なレベルか?
Jl.Pahlawan trip (上記ベトナム料理屋と同じならび。長屋になっているので、一つ屋根の下)
などなど、マランにおいでの際は、ぜひお試しください!
==泊まる==
●Hotel Tugu
T元調整員のお勧めの宿。静かで快適な空調と柔らかな照明のもとオフホワイトを基調にした室内でウェルカムフルーツとフラワーの香りにうっとり、バスルームも清潔、お湯は豊かに溢れて、アメニティグッズも充実!バーはオランダ風、中華風ダイニングもあり由緒ある絵画や彫刻がさりげなく飾られています。中二階のティーラウンジでは、ジャワの伝統的菓子などと飲み物のサービス付き、ああ、ほっこり…。
ただし、部屋に入ってそのままベットに倒れこむのは、ご注意!Merati(ジャスミン)の花びらがベットカバー一面にふりまかれております。
この他にもバリ風の居心地のよい高級ホテルHotel Craha Cakra や、ビジネスホテル風の Hotel Kartika GrahaやHotel Pregedent など利用しやすい中級ホテルから、駅前と独立記念広場周辺のロスメン(安宿)まで各種お好みのままとりそろっております。
==遊ぶ==
●まずは順当に町の中心
市庁前広場には石塔のある噴水を中央に緑と花のオブジェが…暑い日ざかりには子どもらが泳ぎ、夜には電光がぴかぴかしています。マラン駅は首都ジャカルタへ1日一本の急行列車(所要15時間)のほかスラバヤやぶりタール行きの汽車が数本、駅前にはちょっと変わった群像が飾られています。メルデカ(独立記念)広場のほうは、南は中央郵便局、東が県庁、北がシャッピングセンター、そして西には緑のモスリットとピンクの教会が並んでいます。マクドナルド、KFC、それからHEROやRamayanaなど若者の集まる場所、土曜日の夜には夜店も出てにぎわいます。
●興味があればヒンズー遺跡
CandiSingosari(シンゴサリ遺跡)は、思わず真似せずにはいられないステキなポーズの巨大石像が小学校の庭に。 CandiKidal(キダル遺跡)はかわいいくちばしのガルーダが、CandiJago(ジャゴ遺跡)には面白い修復のなされている石塔が、 CandiBadut(バデゥッ遺跡)は住宅地の中に突然遺跡がそびえています。
●お散歩がてら河辺の市場
PasarBurung(鳥市場)PasarBunga(花市場)PasarIkan(魚市場)が街を貫いて流れている河に添って、階段状に広がっています。鳥市場には鶏や鳩から十姉妹、インコなどの観賞用の鳥と、鳥の餌のゲジゲジや鳥籠までそろい、魚市場には熱帯魚や亀、蟹と水槽、なぜか猿とかもつながれています。花市場には鉢植えから苗や生花まで、植木鉢や肥料とともに売られています。
熱帯の途上国で、切花!!!深紅の薔薇で両手に抱え切れないようなの花束を作ってもらっても、 Rp400×50本ならRp20.000(日本円で250円くらい)…しかし数日で駄目になるのはちょっと哀しいですね。
●わいわい中華通り
中華街というには、ちょっとひかえめな感じのする中国系の人々が棲んでいる一帯。 PasarBesar(中央市場)の東、唐三彩の中華風仏教(道教?)寺院を中心に、問屋街のような雰囲気で電化製品屋/布屋/金細工屋/紙屋/自転車屋/仏教グッズの店が立ち並んでいます。教会で知り合ったIbu (おばちゃん)もこの地域の住民で、こっそり豚肉(!)を売っている店とか、季節はずれに花火を置いている店を教えてもらいました。
●ヨーロッパの風に吹かれて
オランダ植民地時代からの古い都市。街のあちらこちらにコロニアル風の建物が残っています。イジェン通りは市街の最高級住宅街通り、ひろびろとした道路には椰子の並木が植えられ、カフェや教会がぽつりぽつりと南国の風景に溶け込んでいます。OENは街の中心部にあるオランダレストラン、パンとアイスクリームが美味しくて有名です。噴水広場に面しているカフェメラティは、香り高いコーヒーとさまざまなケーキがいただけます。熱帯高原の気候から季節によっては苺やブルーベリーが市場で見かけられます。
==ちょっと遠出==
アンコタ(ミニバス)を乗り換え乗り換えぐらぐら山道を数時間、雨季は洪水などで通行禁止もあるとか、しかし、マラン県の南地方にひろがる熱帯雨林の自然が豊かに残る田舎や、ジャワ南洋の静かな波打ち際で熱帯の海を眺めるのもなかなかよいものです。…日帰りはちょっと無理かも。
==マラン名物ご紹介==
2泊3日もあれば、あらかたは見尽くされてしまう地方都市マラン。さて、最後にお土産を探しにゆきましょう。
●りんご
標高の高いマランでは、熱帯インドネシアにもかかわらず、なんとりんごが名産品。皮の色も緑から黄、赤まで各種とりそろい、大きさも直径3cmくらいから10cmくらいまで、味もAsam(すっぺー)からManis(あめー)までさまざま。お勧めは玉子色にうっすら緑の中玉、味はAsamManis(甘酸っぱい)と中間くらいのものがやはり一番日本人の口にあうようです。値段は新しさと大きさによって1kg=Rp5000~12000、交渉次第です。
※「ふじ」も市場で売っています。1玉Rp2500くらい。Jenang Apelというあめっぽいお菓子もマラン土産として好評です。 KRIPIK APELという、リンゴをきって、チップスにしただけのお菓子がありますが、これが、リンゴのあまみが凝縮されたかんじで、食べだすととまりません。
●RujakCingur(ルジャッ・チングル)
ルジャックはご存知ジャワの民族料理。皆様の職場でもおやつの時間に売りにくるでしょう。たいていは若い果実を適当に切って、砕いたピーナッツ入りのGuraMerah(から作った未精製糖)ベースのタレをかけていただくもの。
しかし、マラン名物のこれは、タレは甘味よりも辛味の勝ったピーナッツ入りなものの、シンコンの葉やもやしなどの茹で野菜の細切れに、ころころに切った牛の唇とか頬の肉が入っています。え!と思われるかもしれませんが、これがまるでこんにゃくのような、鯨の皮のようななんとも不思議な歯ごたえ。くせになるかも…。
最初に食べたときに「Apa Ini(ナニコレ)?」と聞いたら、Ibuに台所に連れ込まれ、牛の顔の右半分を突きつけられたはずみに、眼球がぽろんと手の中に落ちてきたのも、今となっては懐かしい思い出です。
●Tempe Menjes (テンペ・メンジェス)
テンペは最近日本でも一部地域で売られているインドネシアの代表的な大豆食品です。
揚げてよし、煮てよし、新しければ生でもいける、貧しい人々には廉価で良質蛋白質の摂取できる貴重な食材。ホームスティの皆様にはおなじみの食べ物ですよね。
マランにもこのインドネシア一般のテンペがありますが、テンペメンジェスというのは種類の違う大豆からつくられています。焦茶色の果皮に中は半透明の白、見かけは「半殺しの小豆餡」で、食感はふにふに。スープに入れられて食卓に出てくると一見お汁粉のよう…。道端の揚げ物売りでも、TempeGorengにして売られてあります。つぶあん羊羹のような外見。一度お試しあれ!
※KRIPIK Tempeというテンペをチップスにしたお菓子がおいしです。山椒がきいていてビールにあいます。