平成16年度2次隊 婦人子供服 ジャワ島ガルット(GARUT) |
<本当にやる気のある生徒のみを集めた放課後特別授業>
はじめまして。16年度2次隊婦人子供服Uchiです。
今日は私が配属先である実業高校で行っている放課後特別授業のお話です!
2007年1月から始めた特別授業Les.は、毎週金曜日の放課後行っています。始め登録生徒は20人。第1回目から3回目まで10人。最終的に今も出席しているのは7人。その7人には今までマーメイドスカート、ティアードスカート、財布、名刺入れ、ビーズの犬、巾着、肩掛けカバン、コサージュを教えました。
本当に向上心があるため、週1回2時間のLesでも、進行はかなりスムーズです。協力隊の協力もあり、生徒達には常に何らかのオーダーが入り(主に巾着)、縫製工賃を得ることが出来ています。その工賃は、彼女達の学校の授業料、日々の休み時間の間食費に当てられています。毎月学校に払うお金も、この授業を通じて得たオーダーの工賃から払うため、両親にお願いする必要がなくなり、学費だけでも、家計を助けることが出来て嬉しいと話しています。
活動終了まで数ヶ月ですが、出来る限りのことを伝えていき、彼女たちの世界をもっと広げてあげたいと思っています
↓↓↓↓↓↓↓↓前回の記事↓↓↓↓↓↓↓↓
(2006年11月現在)
新年度が7月から始まり、
新1年生はカリキュラムが変わった関係で、私は被服を教える機会は与えてもらえず、
今年度は…
新1年生→日本語2限/週/クラス
新2年生→前年度から継続で被服2限/週/クラス(前年度は3限だった)
新3年生→立体裁断2限/週/クラス
という形で生徒に教えることになりました。
新2年生にはキュロットを教えています。
これは学校側からの要望でした。
作図を教えているときに定規が正確でないことが障害になり、隊員支援経費を使ってマス目入りの定規を96本購入しました。また、作図の際の重り代わりにもなるように、金尺定規を15本購入しました。生徒達は、まっすぐで長い線を引くときは金尺定規を、作図する際には30cmマス目入り定規を使っています。
1年指導し続けて、変わってきたことは、生徒達が1ミリ、2ミリの誤差を気にするようになったことです。以前は、『他の先生は2ミリの誤差でもおまけしてくれたのに、IBU Uchiはケチだ。』といわれていました。
2ミリのずれも見逃してはいけない!正確であることが大事だよ!と教え続けた結果、彼女達の中で、誤差を見逃してはいけないという考えが根付き、『先生、どうしよう!2ミリ違うんだけど…!』という発言が聞こえるようになってきて、今はとても嬉しいです。
任地変更をして、ガルットでの活動期間が2年に満たないということ、
学校側から立体裁断を教師、生徒に教えて欲しい、3年生に対しジャケット作成の手伝いをしてほしいという
要請があり、1学期分延長することになり、活動は2007年7月末までとなりました。
今後予定していることは、
教師対象に立体裁断を指導、キュロットスカート縫製です。
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16年度2次隊 婦人子供服 Uchi
2005年6月に中部ジャワ州クラテンでの活動を終え、2005年8月に西ジャワ州ガルットに赴任しました。ガルットは山岳地帯でとても涼しい地域です。近くには、温泉地チパナスや、カンプン ナガがあります。私の配属先はコタに近いところにあるSMK Negeri 2 Tarogong Kidul Garut、
被服科1学年3クラス、
調理科1学年3クラス、
ホテル科1学年2クラス
の観光系実業高校です。
ガルットはとてもイスラム教が強い地域で、
生徒のほぼ99%がムスリムです。(教師は100%)
今現在、自分自身の授業を持っています。
基礎が大事だと判断したため、1年生を指導していますが、現在問題山積みです。
物的困難!
* まず、インドネシアに正確な直線定規、直角定規が無い!
* 作図用紙はまだ茶色の用紙を使っている。(うつす際に大変困難)
* 300人の生徒に対し、ロックミシンが1台も無い!
* JUKIミシンが1台しかない! しかも壊れている!
* 机の表面が木のままで、白い作図用シートが張られている教室が少ない。
* 黒板が磁気を帯びていない。(←これかなり不便!)
* 色チョークを使うということが定着していない。(予算外)
その他の困難!
* 生徒の集中力が午前中数時間しか持たない。
* 教師陣が時間にルーズなため、生徒もそれが普通になっていること。
* 突然のイベントで突然授業がつぶれる!
* デザイナーになりたいのに、デザイン画を描くことを好まない。
* プロになりたいと言っていても、努力が見られない。
などなど。。。 生徒は直角線が引けない子がほとんどです。それは、もちろん定規のせいでもありますが、
彼女達の”正確な作図をしよう”という注意力が備わっていないため、定規が弧を描いてしまっていることさえ指摘されるまで気がつかないのです。
数ミリの誤差も日本では許されない、だからといってそう指導し、点検を厳しくしていると、陰で『先生、ケチ…。』といわれるのです。はっきりいって難しい!考えさせられることがとても多いです。
以前に、生徒達の中で流れている噂も私の耳に入ってきました。でも、生徒から聞かなければ気づくことが出来なかった自分の悪い点、生徒の思いも知ることが出来たのでよかったと思います。
↓↓↓↓↓写真↓↓↓↓↓
スカート原型を教えている私
<ここ半年の活動…>
同期同職種隊員の日本での仕事経験(デザイナー)を生かし、ガルットに呼び、デザイン画特別授業開催しました。 (2006年3月) 対象は、1年生、2年生。
開催しようと思った経緯…ほぼ100%の生徒がデザイナーになることを夢見ているため。同期隊員の出張期間は1週間、1クラス3限(40分×3)×2回=240分
事前に教科書を作成しました。左のページには例、右には練習ページを作りました。また、私自身の専門分野も内容に入れました。特別授業を終えた後の生徒たちはとても嬉しそうでした。外国人に触れる機会がほぼない位の田舎の学校なので、生徒はまず講師に興味津々です。2人で協力し合い、生徒たちのその興味をどうにかデザイン画の練習に持っていくように促しました。
大成功でした!
↓↓↓↓↓↓↓特別授業の様子(写っているのは同期同職種隊員)↓↓↓↓↓↓↓
黒板での師範
↓↓↓↓↓↓前回私はこう書きました。↓↓↓↓↓↓
被服の世界における日本とインドネシアの違い…。
インドネシアは、完成品のクオリティよりも、過程の速さを選ぶ。胸ぐせの処理が出来ていない。(そもそも胸ぐせのしくみをわかっていない。)仮縫いをするということが定着していない。以上の点における正しい知識を教えていきたいと思います。
が、しかし、以上の点を教える前にするべきことが沢山あることに気がつきました。生徒たちと、ゆっくり、楽しく勉強できるように、活動をしていこうと思います。
(2006年5月現在)