南スラウェシ ジェネポントの中学校を紹介 |
インドネシア スラウェシ島にある中学校で理数科教師として活動しています。
私が活動している中学校を紹介します。
◆インドネシアの教育制度◆
インドネシアの教育制度は日本と同じ6.3.3年制。
二期制で7月から12月までが前期、1月から6月が後期になります。
小学校就学年齢が5歳~7歳と幅があるため、中学1年生でも11~13歳と同じ年齢ではありません。
制服の色は小学生は赤、中学生は紺色、高校生は灰色と全国一律で決まっています。
中学校は生徒数400名程度の中規模校。
全員イスラム教徒で、男子生徒は半そでハーフパンツ、女子生徒はジルバブと呼ばれる髪を覆い隠す布をかぶり、長そでロングスカートで肌を出さないようにしています。
放課後、お祈りの時間もあります。
校舎は平屋で実験室やコンピューター室、図書館などがあります。教室の壁には大統領の顔写真が掲示されている以外は掲示物や天井の蛍光灯はなく、ホワイトボードと机、椅子があるだけなので、日本の学校と比べると少し殺風景な気がします。
校内には軽食コーナーがあり授業前や休み時間にインスタントラーメンやスナックなどを食べることができます。
生徒会やクラブといった生徒活動はなく授業が終わると先生も生徒も一斉に帰宅。
生徒は徒歩、ミニバス、バイク(無免許&ノーヘル!さらに3人乗り!!)で下校し、自転車の生徒は一人もいません。
◆授業をのぞいてみましょう◆
中学校では、インドネシア語、英語、数学、理科、情報、社会、芸術、宗教学、体育を勉強します。
授業は7時半に始まり40分授業が2コマ連続で続きます。
学校では教科書は全員分ないため、貸し出すか教科書なしで板書をするスタイルが基本。
教科書は分厚く文字ばかり並んでいるので、大切な部分を先生が抜粋して生徒に教えています。
一年生の数学の授業をのぞくと平方根や三乗根の計算を勉強中。
教員はシラバス通り教えていますが、掛け算ができない生徒もおり、教科書が難しすぎて生徒のレベルに合っていないのが実情のようです。
次は、一年生の理科。酸とアルカリの性質について学習中。
まだ元素記号を習ってないけど、化学式が登場!
これも難しすぎますね...。
◆実験室訪問◆
科実験室には国から配布された実験器具が未開封のまま山積みに。
何かわからない薬品も放置されたまま…。
というわけで、実験室の整理整頓から活動が始めました。
毎年同じような実験器具が送られてくるので、同じ種類の器具が大量に出てくる出てくる。
ゴムが劣化したピペット、何に使うかよくわからないバネなどなど。
それでもせっかくあるんだから使わなきゃ意味がない!
使えそうなものを種類別に箱に分けていきます。
現地の理科教員と協力しながら実験もしています。
◆実験してみよう!◆
実験の授業は生徒も楽しみにしているようで、「先生、いつ実験があるの?」と聞いてきます。
一年生の「酸とアルカリ」の実験では、リトマス紙を使って溶液の性質を調べてみました。
お酢を入れた溶液に青色リトマス紙を付けてみると赤色に変化。生徒は「赤だっ!」ととても興味深そう。
口頭でリトマス紙の性質を説明するより、実際に実験すれば一目瞭然です。
◆教師勉強会◆
現地の先生に対して、実験方法を提案。生物が専門の先生も物理・化学分野を教えなくてはならないので教科知識も伝授していきます。
この日は、静電気の分野の模擬実験。
同僚たちはとても熱心に聞いてくれ、質問もたくさんでました。
定期的にこのような教師勉強会を開いていきたいです。