青少年活動隊員 活動紹介 (スラウェシ島タカラール県) |
現在南スラウェシ州には、3人の青少年活動隊員が赴任しています。
要請内容については先の2人が詳しく説明してくれているので、ここでは私の任地及び実際の活動についてお伝えしたいと思います。
配属先は県教育局学校外教育課になりますが、ここに籍を置きながら各村を巡り、巡回指導を行うことが主な活動内容です。
タカラール県には9つの郡があり、PKBM(ノンフォーマルの学校で、小中高と同等の教育と職業訓練校の2つの役割を持つ)という施設があります。県内に全部で12あるこの施設を巡回し、中途退学者を復学させまた卒業できるような手助けをすることが活動の一つです。
また、この地域では非識字率(公用語であるインドネシア語の読み書きができない人)が20%以上あるため、各村でKF(識字教室)が開かれ村人が半年間定期的に学習をするというシステムがあります。ここにも巡回をしており、よりよい教室の開催ができるよう、学習者の意欲を持たせるような授業の仕方を現地の教員と共に考えたり、識字教室の教員の質の向上を目指す講座を開講したりすることも活動の一つです。
現在赴任5ヶ月が経ちましたが、まずは村人に私を知ってもらい受け入れてもらう事が先決なので、現地の担当者と共に各村の施設を巡りながら、村人と一緒に授業を受けたり、時間があるときにはおしゃべりをしたりしています。ここでは現地語(マカッサル語)が話されているため、まだ現地語を覚えていない私にとっては体を使ってのコミュニケーションが主になります。
でも、片言でも現地語を使うと村人がとても喜んでくれ、また言葉を教えてくれたりするので、巡回はとても楽しく行っています。
日本の子どもたちだけでなく、世界の子どもたちが普通に教育を受けることのできるような、そんな世界になるといいなと思い、派遣を希望しました。
タカラール県では、生活費を稼ぐために学校に行かずに両親の手伝いとして畑仕事や漁師をしている子どもが多く、PKBMのように施設はあるもののそこにさえ実際に通いきれない子どもたちが沢山います。
巡回をしていて分かったことですが、1クラスの生徒数は20人のはずなのに授業への出席者は毎回5・6人といった感じで、日本のように出席することが当たり前という環境ではなく、出席率の低さに驚いています。
また、このPKBMにさえ通えない子どもたちがいるので、その子たちにPKBMの存在を伝え勉強に来るように啓蒙することや、学習の大切さを伝えることもやりたい活動のひとつです。
まだ、PKBMへの巡回は十分とは言えず、子どもたちの環境をどうすれば改善できるのか?
子どもたちが学校に通えないというこの現実の原因をさぐる事はしきれていませんが、今後巡回を重ねることによって何か見えてくるのではないかと思っています。
そして、現地の人と関わり共に日々活動しながら、現地の子どもたちが少しでもよりよい生活ができるように、私のできることを探していきたいと思っています。
国は違っても子どもたちの瞳の輝きは同じで、多くの可能性を秘めていることに気づかされます。その瞳の輝きを失わせないよう、夢を持ち、夢を語り合える空間や時間を作れたらと願い、今後も活動していきたいと考えています。
子どもたちの可能性に期待を込めて!