理数科隊員活動紹介(南スラウェシ州ジェネポント県) |
私はスラウェシ島の南の端、ジェネポント県の中学校で理数科教師として活動しています。
ジェネポントは熱くて、乾いていて、塩と馬しかないところですが、大きな空とたくさんの温かい人たちに囲まれ、日々過ごしています。学校は広い校庭(野原?)を取り囲むように平屋建ての校舎が広がっていて、380人ほどの生徒が楽しく勉強しています。
授業は月曜日から土曜日の、毎朝7:30に始まります。休憩をはさみながら40分の授業を6コマ行い、12:00にはもう下校です。毎週月曜の朝はupacara(朝礼)を、金曜の朝は体操を、全校生徒で広い校庭で行っています。
赴任して約4カ月経ちましたが、現在の私の主な活動はカウンターパートの先生の授業に一緒に参加することです。3年生4クラスと1年生2クラスの物理と生物の授業を週2時間ずつ参観しています。カウンターパートの先生は生物専門の40代のベテラン教員です。でも、物理と化学(新しくカリキュラムに入り、おもに物理の時間に扱っている。)は苦手なようで、最近は私が少しずつ補足説明をしたりしています。また、実験を取り入れた授業を、私が主導して何度かさせてもらいました。電流回路を組み立てて電流の大きさをはかる実験や、リトマス紙を使って水溶液の酸性・アルカリ性を調べる実験などです。日本では普通にやっているものですが、こちらでは実験を行う機会がほとんどないようで、生徒は大喜びでした。(私のめちゃくちゃなインドネシア語を一生懸命聞き取ろうとしてくれ、うれしい限りです。)
水曜日と金曜日はカウンターパートの先生の担当の授業がないので、理科室の掃除や片付けを行っています。実は、JICAの支援などによって、実験道具は種類も数も結構揃っているのですが、理科室の扉や窓、屋根などが破損していて、盗難や破損を避けるため、事務室の奥にある倉庫に眠ったままなのです。また、2か所ある水道も完全に使えなくなっていて、ビーカーや試験管もほこりだらけです。別棟にある職員用トイレに器具を持ち運んで洗ったり、ごちゃごちゃになった棚を整理したり、実験しやすい環境を整えているところです。また、先生自身が実験の経験が少ないので、練習をかねて予備実験を一緒にしたりしています。
今後は地域のMGMPにも参加して、日本でいう授業研究の活性化にむけた活動も手伝っていきたいと考えています。また、1月に始まる2学期からは、放課後の補習時間を利用して希望者に日本語を教える予定です。
一歩ずつ、前進していけたらと思います。