青少年活動隊員活動紹介(南スラウェシ・ゴワ) |
新規の青少年活動隊員です。
青少年活動の中でも、私は主に「ノンフォーマル教育」を扱っています。
「ノンフォーマル教育」とは正規の学校教育制度とはちがう教育活動のことで、
「学校外教育」とも呼ばれ、きちんと組織化されているのが特徴です。
普段働いているのは、ノンフォーマル教育プログラムを実施する機関のうちの一つ、
県教育局学校外教育課付属の「学習活動センター」で、
私は8月に赴任して以来、センタースタッフや上司と共に
県内にある数々のノンフォーマル教育施設を視察させてもらいました。
たとえば、機能的識字クラス。
「機能的識字」とは、コミュニティーが効果的に機能・発展し、
また、コミュニティーの住民であるその人自身が向上するために必要な
読み・書き・計算等の能力のことです。
子どものときに学校教育を受ける機会を得られず
文字の読み書き、計算を学べなかった成人(主に女性)が、
無料の学習機会を得、今、もう一度学びなおそうと一生懸命です。
そして、ゴワ県独自の小学校レベルの
ノンフォーマル教育プログラム、SPAS(スパス)。
SPASは学習者である児童の現状を考慮し、通常は夕方開講されています。
その他、幼稚園レベルクラス(プレイグループ)、
小学校から高校までの同等教育クラス、
生計を立てるための技術習得の場である職業訓練コースなど、
担当範囲は多岐に渡り、県内の施設数は非常に多いです。
既に配属先と協議を済ませ、近々始められそうな活動は
・モデル集落での未就学児への学習啓発活動(情操教育を通して)
・中学・高校の同等教育コース講師への英会話指導
・地元住民への日本語指導及びノンフォーマル教育プログラム用の日本語教材作成
・モデルとなるSPAS(スパス)施設(2か所)での週に2度の勤務
といった感じです。
既に始まっている活動は、
ノンフォーマル教育の幼稚園施設(プレイグループ)講師への
週に1度の廃材や身近な物を利用しての制作指導です。
エコノミカル且つエコロジカルな制作を通して講師たちの想像力と創造力を高め、
また、そうした子どもがより多く育つようにと始めました。
同時に、現在の日本の幼児教育の原点ともいえる誘導保育の考えも、
制作を通してあくまでも自然な形で理解して貰えればと考えています。
私のここでの活動は、私が帰国後も、センターのスタッフやコミュニティーの住民達の力で
継続され得るものでなければならないと私は思っています。
ですから、私が直接ノンフォーマル教育の現場で教壇に立つよりも
講師を指導したり、運営補助に回ったりと、
「今」よりも「未来」を見据えた活動を心掛けています。