ティダ ビサ! |
町は海に面した農業と漁業の町で島の西側に面しているので、乾季の今は毎日すばらしい夕日を拝むことが出来ます。外国人が珍しいのとおしゃべり好きな人々が多いため、老若男女問わず積極的に声をかけてくれる田舎ののどかな町です。
しかし、赴任最初の1か月はイスラムの断食真っ最中だったため日々途方にくれていました。学校は休み、知り合いもいない、どこに何があるのかもわからない、昼間は町全体が閑散としている(断食しているので人々の活気も落ちている。飲食店もしまっている)。
「今いったい何ができるんだ!?」
とりあえず日本人が来たことを町の人に知ってもらうために、人々が家から出てくる夕方時をねらって散歩や道端でのおしゃべりをして過ごしていました。その効果か、外国人がこのあたりで一人しかいないこともあり、学校の中でも外でも自分の名前は「ミスター!」で定着。けっこう気分がいい呼び名です。
現在は学校が始まり、2か月が経ちました。学校や先生たちの雰囲気にもなれましたが授業をするにはまだまだほど遠い語学力。いつもは理科の先生にくっついて授業に入り、助言できるところは助言し、実験ではティームティーチング形式で活動しているといったところです。日常会話は少しずつ意思疎通ができるようになっても、教科書の言葉や専門用語はまだまだ難しい。とりあえず生徒に質問しても、その答えが合っているのかもわからないですからね・・・。
ああ、そうそうタイトルの「ティダ ビサ」について。
これは「できません」という意味です。ここ2か月多用しました。
「この単元の説明追加して。」
「ティダ ビサ。」(力になれずすいません。日本語なら・・・)
「日本に帰るとき、そのパソコンちょうだいね。」
「ティダ ビサ。」(大事なデータ満載ですので)
「私帰るから、あと授業よろしくね。」
「ティダ ビサ。」(は!?突然何を言いだす?)
「一緒にあいつら殴りにいこうぜ。」
「ティダ ビサ。」(え~と・・・意味がわかりません)
そのため学校で「ティダ ビッサー!」と物まねする人まで出てしまいました。当然「ティダ ビサ」なものもあるのですが、一部はただの自分の力不足です。なので、ちょっと不名誉な物まねですよね。されると少し恥ずかしくなります。
でも、最近少しずつ「ティダ ビサ=できません」が減り「ビサ=できます」が増えた気がします。今後の活動は、とりあえず「ビサ」を増やしていくところからなのかな~と思い活動している今日この頃です。