毎夕のゴミ拾い活動 子供たちへ感謝を込めて |
隊員ブログを読んで下さっている皆さん、こんにちは。平成20年度1次隊でスラウェシ島ゴワ県に派遣されている青少年活動隊員です。
私の仕事は毎日夕方の4時まで。今はちょうどイスラームのラマダーンの断食月で、3時で仕事が終わります。
ステイ先に帰り、「ひとっ風呂」ならぬ「ひとマンディー(水浴び)」を終えると、だいたい5時から私は毎日この街のゴミ拾いをしています。(写真:ゴワ県の中心街)
ゴミ拾いを始めたのは5月の頭。ちょうど自分の活動に将来性を見いだせず、無力感を感じている時です。活動がうまくいかないもどかしさを、周りのせいにしてみたりもしましたが、解決するはずもありません。逆にこの街にとことん尽くすことで私は方向転換を図りました。普段の活動とは別の、いわば趣味のようなものです。半信半疑ながらも、きっと誰かが理解してくれるはず、と、そう信じて始めたわけですが、なんと開始数日後からすぐに近所の子供たちが手伝ってくれるようになったのです。
私から手伝ってほしいと言ったことは一度もありません。今では週の半分くらいは彼らと一緒にゴミ拾いをしています。こちらでは、大きな袋を持って、換金できるペットボトルや缶類等を道で拾って歩き生計を立てる人々も多くおり、彼らと間違えられるというリスクも理解した上で私についてきてくれています。
最初のころはよく、「いったい何をしているんだ???」と声をかけてくる人達もいましたが、いまでは子供達はそう聞いてくる人がいたら胸を張ってこう言います。
「この街をきれいにしているのよ。」と。
最近では、幼稚園に入ったばかりの幼い子も、ゴミ拾いの過程で、葉っぱや枝などを指して「これは自然のもの~!」、プラスチックゴミを指して「これはゴミ~!」と、笑顔で私に教えてくれるようになりました。まだ文字もうまく書けない、絵も円を描くくらいしかできない小さな子です。ゴミを入れたビニール袋の口を、最後に自分ひとりで縛れるようにもなったんです。
このゴミ拾い活動で自分の気持ちにも変化が出たように思います。自分にも何かできる、自分がやらなくてどうする、という気持ちも湧いてきました。そう、私は働いていた会社を退職してまで協力隊員になりたかったんです。残りの任期、何が何でも頑張らなければ!そういった気持ちから、前回のブログ記事にもあるように、活動に前向きになり、今もカウンター・パートらを始め、配属先の人たちと毎日心から楽しみながら過ごしています。
さて、先日、いつもゴミ拾いを手伝ってくれる子供達に感謝の気持ちを込めて、お揃いの髪留めを作りました。私は包丁を洗っていてその包丁で手を切り、縫う怪我を負ったり(笑)と、情けないほど非家庭的な人間で、縫物もさっぱりダメなのですが、今回ばかりは子供達の喜ぶ顔を思い浮かべながら、沢山の愛情を込めて作りました。(でもすご~く簡単です。)
(写真:子供達のために作ったお揃いの髪留め)
昨日は一人でゴミ拾いをしていたら、後ろから私の名前を呼ぶ女の子たちの声が。汗だくになりながら、一生懸命一緒にゴミ拾いをしました。(写真左:ゴミ拾い前 写真右:ゴミ拾い後)
ゴミ拾いが終わってバイバイする時、あのピンクの手作りの髪留めをプレゼントしました。私も密かにこの日自分の髪にしていたので、「ほら、おんなじよ!」と言って見せるとすごく喜んで、みんなで一緒につけて、彼らのお父さんに写真を撮ってもらい、家路につきました。
8月22日から始まっている1か月間に及ぶラマダーンの断食に私も挑戦しています。毎日ゴミ拾いを終える頃が、ちょうど待ちに待った断食明けの食事の時間です。この日の食事がいつもの何倍も美味しかったのは、言うまでもありません。
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※ラマダーンの断食について扱った過去の記事※
■ 「断食月」 2008年9月21日UP
■ 「ラマダン月」 2007年10月3日UP