インドネシアのPernikahan(結婚)ってどんな感じ?【前編】 |
(スラマット メネンプゥ ヒドゥップ バル !)
ご結婚おめでとうございます!
このお祝いの言葉をだいぶ使い慣れてきた、スラウェシ島のゴロンタロに配属されています栄養士隊員です。活動とは関係はないのですが、インドネシアの結婚事情について触れてみようと思います。
インドネシアには人口の約90%を占めるイスラム教を始め、キリスト教(カトリック、プロテスタントなど)、ヒンドゥー教、仏教、儒教など、さまざまな宗教があるため、結婚式の流儀や結婚証明書の内容が異なります。さらに、200から300もの民族がいると言われているインドネシア。結婚式は宗教よりも各民族の影響が強く、儀式や衣装もそれぞれの民族の様式で行われているようです。
今回は イスラム式のゴロンタロの民族の結婚 について取り上げてみたいと思います。
私の住んでいる地域の平均結婚年齢は男女とも20代前半です。しかし、10代での結婚も多くみられ、13・14歳で嫁ぎ、出産する例も実際見てきました。
儀式としては、日本と同じように結婚式と披露宴がありますが、どちらも 新婦側の自宅 で同じ日もしくは別な日に行われます。最近は結婚式場で披露宴を行うカップルも増えています。
結婚衣装は、ゴロンタロの伝統衣装である Biliu(ビリウ) という、 金色の煌びやかな衣装 を身に着けます(写真右)。
結婚が決まったら、市町村の役所に Surat keteragan menikah(=結婚証明書) をもらいにいきます。結婚式の3~7日前になると、通称KUA(=Kantor Urusan Agama)と呼ばれる宗教管理所へ行き、KUAの事務所長から 結婚についての教え を説いてもらうそうです。KUAの職員が家に出向いて行う場合もあるそうです。
イスラム教徒以外はKantor Catatan Sipil(=結婚登録所)へ行かなければならないそうです。このKUAでは結婚式を挙げることもできるそうで、 貧困層の方が利用する 場合が多いみたいです。
写真を貼った2通の結婚証明書にサインをして結婚が成立します。この証明書は Buku Nikah(結婚証明が本の形になったもの)になり、 夫婦一冊ずつ 保管することになります。夫は茶色表紙、妻は緑色表紙と異なります。子供の進学時やホテルにチェックインする時に結婚証明書の提示を求められることが稀にあるそうです。結婚証明書には結納金が記載されていますが、これは離婚するときに新婦の財産とするためのものだそうです。
イスラム教はご存じの通り 一夫多妻制 です(イスラーム法に準拠して4人まで認められいて、正妻が納得しなければ無理。)多妻が認められている以上、結婚もそれぞれの妻との契約であり、結納金が記載された証明書を新婦が受け入れることにより結婚成立となるそうです。
Akad Nikah と言われる結婚式(結婚契約の儀式)にて、親族・友人に結婚証明書をお披露目など様々な儀式を行います。
この Akad Nikah へ行くと、 2人の初夜 を迎えるための神聖な場所として 綺麗に飾られた寝室 をよく目します。初夜を過ごした翌日は 必ず家族に報告 し祝福してもらうそうですが、これも宗教色の強いインドネシアならではの風習ですね。
指輪は、婚約者がいるときは左手の薬指につけ、結婚すると 右手の薬指 に移します。インドネシア語では薬指を Jari Manis (Jari:指、Manis:Sweet ) と言います。
素敵ですよね♪
(後編に続く)
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【この隊員の他の記事】
◎『栄養士隊員活動状況(スラウェシ島ゴロンタロ県)』 2008年11月14日
◎『ゴロンタロ州ゴロンタロ県TFC視察研修』 2009年5月7日